スウェーデンの名ヴァイオリニスト、ホルガー・ブラントは、ニューヨークの演奏会を終えて、伴奏者のトマスとマネジャーを連れ、妻のマルギットと娘のアン・マリーの待つ故郷に向かった。トマスはこれを機会に引退し、後進の指導に専念しようと決心したが、最初に彼の元に教えを乞うた女流ピアニスト、アニタは偶然にもアン・マリーにピアノを教えていた人だった。アン・マリーの誕生日に、アニタの演奏を聞いたホルガーは、彼女を自分の伴奏者に迎えた。こうして2人はお互いに芸術上での結び付きが密接になったが、それはいつしか愛情にまで発展していった。アニタは、妻子あるホルガーを愛することを苦しみ、彼の元を去ろうとしたが、ホルガーは強く彼女をひきとめ思いとどまらせた。やがて、ホルガーとアニタは海外演奏旅行に旅立ち、各地で、絶賛を博した。演奏旅行を終え、南仏の漁村で静養の時を過ごした2人は、愛の喜びに浸った。だがホルガーは妻子に対する良心の呵責に悩みはじめていた。
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