欧州大戦中メソポタミヤ砂漠において英軍の一中尉の率いる騎兵偵察隊が行進中突如、何処からともなく銃丸が飛んできて中尉は即死する。中尉の死体は砂に埋められ軍曹が代わって指揮して分隊はそのまま進軍を続ける。けれど軍曹は分隊の使命も、目的地も、また本隊が現在何処にいるかも知らなかった。万事死んだ中尉が一人で心得ていたのである。しかし幸いにもオアシスを発見したので、軍曹は一夜をあかすつもりで、泉に沿った回教の寺院に夜営する。敵のアラビヤ士兵が付近に潜伏しているらしく、四方から銃丸が飛んでくる。若い志願兵が歩哨勤務中に敵弾に倒れ、最古参の伍長は重症で口も聞けなくなり、つないで置いた馬は全部盗まれてしまう。馬を失って分隊は行進をやめ、救援の来るのを待たなければならなくなる。分隊はオアシスに立てこもり、天然の窪みを塹壕として、不安を包んで警戒を厳重にする他はなかった…。
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