ドン・バーナムは33歳、大学時代から小説家になるつもりで、中途退学してNYに飛び出してきたのだが、学窓の天才も世に出てはいっこうに小説が売れない。売れなくとも書いているうちはよかった。書けなくなってきて、焦慮をまぎらそうと一杯の酒を飲んだのが諸悪の始まりで、どうやらアルコール中毒になってしまったらしい。弟思いの兄ウィックのアパートで兄弟は二人暮らしで、何から何までドンは兄まかせである。十日ほどの酒びたりからやっと目覚めた弟を、ウイックは田舎へ連れて行って週末4日間なりとも健康生活をさせようと企画する。出発の準備の最中、ドンの恋人ヘレンが訪ねて来る。彼女が音楽会の切符を二枚持っているというと、ドンは3時の列車の予定を6時半の列車に延ばし、無理に兄を彼女に同伴させる。しかし酒は一滴もない、金も一文なし、どの酒屋も現金でなければドンには酒を売らない。そしてドンは掃除女の給金10ドルネコババしてまた酒を飲んでしまう…。
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