ジョンパーの花束 ニャン 13歳

ジョンパーの花束メコンの船着場には椰子の木が林のように並んでいて、それぞれが大きな実をたわわにつけてざわめいている。その木陰にある掘っ立て小屋でボートのチケットやジュースを売っているのはニァンのお母さんだ。そしてニァンは店で使う氷の塊を自転車でこの店まで運んで来たり、妹たちの面倒をみたりする係りなのだ。私は散歩でよくこのあたりを通りかかる。するとすかさずお母さんが私をみつけて「ボートに乗っていきなよ」と勧めてくるのだった。